さまざまな問題・課題が明るみになってきた理事会方式の運営だが、それに変わって導入がはじまっている第三者管理者方式のメリットについては、大きく5点が挙げられるという。 その内容は下記の通りである。 ① 管理組合運営上の責任関係が明確になる ② マンション管理を熟知した者が運営を担うことで、マンション管理の質の向上が期待できる ③ 管理組合運営をする上での区分所有者の心身の負担が大幅に軽減される ④ 区分所有者がマンションの管理・運営に対する意見を言いやすくなる ⑤ 管理組合運営の継続性が高まる
一方で、デメリットもあるという。それが以下の5点だ。 ① 相応の委託費(業務報酬)や必要経費の負担が生じる ② 管理組合運営に対する区分所有者の関心が低下するおそれがある ③ 監査機能が働かないことによる弊害への懸念がある ④ 管理者本位(非区分所有者本位)にマンションが管理される懸念がある ⑤ 一度管理者方式に移行すると、役員・理事会制度に戻すことが困難である
これらを踏まえた「第三者管理者方式」の課題として、以下の5点が挙げられた。 ① 管理者の業務執行のチェック体制の構築(監査機能の確保) ② 金銭管理を行う者や印鑑を保管する者の制限(事故防止策の確保) ③ 管理者に対する総会の議決権行使の委任の制限(形骸化防止策の確保) ④ 管理者が辞任または退任する場合等のルールの明確化(継続性の確保) ⑤ 管理者の利益相反関係の排除(取引の健全性の確保)