The Research of SPREADING RISK MANAGENENT towards Small & Medium Size Companies
-The Information disclosure of both Risk Education and Risk Management will make the Customer Trust improve. -
Riskbranding Co., Ltd. Ohmori, Hidenao
皆さんは「リスク」と聞いて、どのような印象を抱くだろうか。不祥事や不始末、さらには隠蔽――そうした負のイメージが先行しがちではないだろうか。
マンションみらい価値研究所では、マンション管理における価値創造の観点から、リスクの捉え方や向き合い方についても重要なテーマの一つと考えている。そこで、今回は、リスクブランディング株式会社の大森氏の論考を紹介する。大森氏は、企業がリスクを隠すのではなく、積極的に開示することで、顧客からの信頼向上などにつながる可能性があることを指摘している。
マンション管理の現場にも、災害や漏水、騒音、近隣トラブルなど、多様なリスクが存在する。本稿は、そうしたリスクへの向き合い方を考える一つの視点として紹介するものである。こうした状況において、大森氏の提起する考え方は、リスクへの向き合い方を捉え直す一つの視点として参考となるのではないだろうか。
1. はじめに - リスク教育が企業の信頼性向上につながるのではないか?
リスクマネジメント活動は社内で行っているだけでは社外へ認知させることが出来ず、企業の信頼性向上までつなげることはできない。企業が信頼性向上につなげることができるリスクマネジメントを行うにはどのようにすべきかを明らかにするのが当研究の目的である。なお、当研究では、事業承継・技術及び技能承継・資金繰りなどといった普遍的かつ経営者が既に認知し制御可能性であるリスクではなく、明日起こりうる不確実的かつ未知性の高いリスクを対象とし、さらに地域によってマーケットの大きさや産業構造などの特性が異なることが予想されるため、B2Bビジネスを行う首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の1都7県)の中小企業を対象範囲とした。
自然災害リスクや情報漏洩リスクなどの高まりにより、大企業はそれらのリスクに対応するため、専門の人員や専門部署を設けてリスクマネジメント体制の構築を進めている。一方中小企業は、人的かつ財務的な制限からリスクマネジメント体制が構築できない状況が2016年版中小企業白書で調査報告されている※1。では、中小企業がもっと前向きにリスクマネジメントに取組むにはどうするべきかを模索する中、「リスク教育※2」に着眼点を得、リスク教育が人材育成などにプラスの効果があり、企業の「信頼※3」につながることを明らかにできれば、中小企業が前向きにリスクマネジメントに取り組む動機づけとなり、リスクマネジメントの普及が進むのではないかと考えるようになった。
2. 先行研究 - リスクマネジメントと信頼・ブランディングの関係について調べる
上記のリサーチクエスチョンを明らかにするため、まず企業の信頼性について調査を行っている中谷内・工藤・尾崎(2014)の先行研究からリスクマネジメントと信頼の因果関係について明らかにし※4、笠原(2009)の先行研究を中心にリスク教育が社内の誰のどの能力を上げ、それが顧客の信頼を本当に向上させるのかを論じながら作業仮説1の構築を行った※5。
さらに、大企業は顧客からの信頼やブランドの維持のため、リスクマネジメントの活動内容を有価証券報告書やホームページ等でリスク対策の開示を積極的に行っているという鍵村(2016)の調査結果をヒントに※6、中小企業においてもリスクマネジメントの何の活動をどのような手段で開示を行えば、顧客の信頼性を向上させることができるのか、Kevin lane keller(2001)※7や笠原・原島・中島(2013)※8らの先行研究を通じて作業仮説2を構築した。
3. 2つの仮説 - リスク教育による従業員の能力向上と情報開示の効果
これら先行研究を考察し、次の2つの作業仮説の設定を行った。
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作業仮説1 作業仮説2 |
4. 仮説の検証 - リスク教育は従業員の能力を上げ、その情報開示が信頼性を向上させる
上記の2つの作業仮説に対し、次の調査方法で検証を試みる。まず作業仮説1については、首都圏の中小企業83社に対してアンケート調査を行い、かつリスク教育を行っている企業3社(受講者計14名)※9へのコンピテンシー(行動特性)調査を行った※10。次に作業仮説2については、中小企業83社へのアンケート調査と、実際にリスクマネジメントの対策や教育活動をホームページに開示している企業1社のアクセス解析を行った※11。
作業仮説1については、アンケート調査結果の【表1】のとおり、「社内で行われているリスクコミュニケーションが人材育成に有効か」という問いに対し、96.4%のリスク管理担当者が有効だと答え、さらにサンプル数が14名と少ないが、コンピテンシー調査の結果でも【表2】のとおりリスク教育がマネジメント層よりも従業員層の方がはるかに能力を上げる効果があり(リスク教育によるコンピテンシーの伸長値が、マネジメント層が+0.37対して従業員が+0.61伸びた)、さらに【表3】の結果のとおり従業員の知識獲得力、コミュニケーション力、傾聴力、応用力、探求する意欲といった能力が伸長していることが明らかとなった。また、その効果が顧客の信頼性を向上させることについては、アンケート調査の結果である【表4】では従業員(社員)の能力が顧客の信頼性要因に影響を及ぼし(購買先の信頼性要因の16項目中第5位)、かつその情報の入手方法も【表5】の「従業員の日頃の言動、ふるまい、対応(第一位)」であることが確認できた。
【表1】社内リスクコミュニケーションによる人材育成の有効性について
リスクコミュニケーション有効
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度数
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パーセント |
有効パーセント
|
累積パーセント
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| 有効 |
人材育成に有効だと思う
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80 | 96.4 | 96.4 |
96.4
|
|
人材育成に有効だと思わない
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3 |
3.6
|
3.6
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100.0 | |
| 合計 | 83 | 100.0 | 100.0 |
【表2】マネジメント層と従業員層のコンピテンシー伸長値比較
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[受講前]
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[受講後]
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[伸長値]
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マネジメント層
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3.52
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→ |
3.89
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+0.37
|
|
従 業 員 層
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1.80
|
→ |
2.41
|
+0.61
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【表3】マネジメント層と従業員層別 伸長値が高かったコンピテンシー
| [カテゴリー] |
[キーワード]
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マネジメント層
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第一位
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問題解決力(0.80)
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論理的思考(1.67)
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第二位
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コミュニケーション力(0.47)
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傾聴力、計画実行力、倫理(1.00)
|
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従 業 員 層
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第一位
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知識獲得力(0.79)
|
傾聴力(1.00)
|
|
第二位
|
コミュニケーション力(0.71)
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応用力、探求する意欲(0.91)
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【表4】購買先(仕入先)のどこを信頼して取引をしているのかについて
| 順位 | 購買先への信頼性要因 | 平均値(a) | 標準偏差 |
| 1 | 商品サービス品質 | 4.75 | 0.537 |
| 2 | 商品サービス価格 | 4.69 | 0.623 |
| 3 | 納期対応 | 4.65 | 0.593 |
| 4 | 顧客理解 | 4.55 | 0.667 |
| 5 | 社員能力 | 4.53 | 0.65 |
| 6 | クレーム対応 | 4.4 | 0.78 |
| 7 | 経営安定 | 4.06 | 1.086 |
| 8 | 事故情報迅速 | 3.99 | 1.088 |
| 9 | 事故補償能力 | 3.95 | 1.07 |
| 10 | 経営者優秀 | 3.34 | 1.232 |
| 11 | リスク情報開示 | 3.16 | 1.41 |
| 12 | 広報活動 | 3.1 | 1.376 |
| 13 | 社会貢献 | 2.69 | 1.379 |
| 14 | 認証取得 | 2.53 | 1.356 |
| 15 | スポーツ文化活動 | 1.92 | 0.94 |
| 16 | ボランティア活動 | 1.86 | 1.049 |
【表5】購買先(仕入先)を信頼する情報の入手方法について
| 目 | 度数 | 最小値 | 最大値 | 平均値 | 標準偏差 |
| 購買先信頼性情報経路・HP | 47 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 購買先信頼性情報経路・同業者 | 50 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 購買先信頼性情報経路・ネット上の噂 | 15 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 購買先信頼性情報経路・経営者日常行動、言動 | 43 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 購買先信頼性情報経路・従業員日常行動、言動 | 54 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 購買先信頼性情報経路・信用調査会社 | 23 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 購買先信頼性情報経路・その他 | 6 | 1 | 1 | 1 | 0 |
| 有効なケースの数(リストごと) | 1 |
次に作業仮説2については、アンケート調査から「リスク情報の開示」が【表6】のとおり顧客からの高い要求事項となっていることが分かり(自社の信頼性要因と購買先への信頼性要因との著しい乖離状態となっている)、かつ【表5】の購買先を信頼する情報の入手方法が「購買先のホームページ(8項目中第3位)」が上位となっていることから、実際にリスクマネジメントの対策や教育活動をホームページに開示している企業(竹下産業株式会社)のアクセス解析を行った。その解析結果においても、リスクマネジメントやリスク教育の活動内容をホームページで開示することで、ホームページ全体のアクセス数や離脱率・直帰率・滞在時間にプラスの効果をもたらしていることが明らかになったことから、作業仮説2が正しいことがわかった。
5. まとめ - リスクコミュニケーションの情報開示は、企業の信頼性に32%寄与
以上の検証結果から、作業仮説1と作業仮説2共にサンプル数が少ないながら正しいことが明らかになった。また、これらの検証課程の中で、次の新たな発見もあった。
アンケート調査において「購買先企業における社内のリスクコミュニケーションの光景や内容をホームページ等で公開されていた場合、購買担当者がそれを見た際にその購買先企業の信頼性が増すか」という質問に対し、【表7】の結果のとおり83.1%もの回答者が「購買先の信頼は増す」と回答した。この結果は、社内のリスクコミュニケーション(リスク教育を含む)によるプロセスの開示で購買先への信頼度が増すことを意味する。
【表7】社内リスクコミュニケーションの光景や内容の開示への信頼度について
| 区分 | 回答 | 度数 | パーセント | 有効パーセント | 累積パーセント |
| 有効 | 購買先の信頼度は増す | 44 | 86.3 | 86.3 | 86.3 |
| 購買先の信頼度は増さない | 7 | 13.7 | 13.7 | 100 | |
| 合計 | 51 | 100 | 100 |
さらに購入先のリスクコミュニケーションの信頼性とリスク対策の有無との間にどのような関係性が存在するのかを検証するために、単回帰分析を行った結果、下記のとおり1%水準で有意な値の結果が導き出せた(p<.001)。
導かれた回帰方程式は下記のとおりである。
| 購入先リスクコミュニケーション信頼性=定数0.630 +(0.299×リスク対策有無) ※リスク対策有無(0.なし1.あり) |
この回帰方程式から、購入先リスクコミュニケーションの信頼性の最高値は0.929(0.630+0.299)であるため、購買先における社内のリスクコミュニケーションの信頼へのリスク対策有無の寄与度が32%(0.299/0.929)であることがわかった。
なお、サンプル数・ケース数が少ないこと、またアンケート調査対象の中小企業が著者関係企業に限定されていることから、対象を拡大しての検討は今後の課題としたい。また、リスク教育によって能力が上がった従業員が今後どのように行動を変容させ、組織にどのような成果をもたらすのか、リスク対策のプロセス開示が信頼性を向上させるだけではなく、売上や人材確保などにもプラス効果があるのかについても今後の研究を継続していく。
6. 最後に - 企業がリスクブランディングで攻めの経営を行う
著者はリスクマネジメントでブランディングを行い企業の信頼性を向上させることを「リスクブランディング」の定義とし、リスクブランディングを社会実装させるため2023年にリスクブランディング株式会社(商標登録 第6784314号)を設立した。
我が国の企業がリスクマネジメントを守りの戦略で捉えるのではなく、攻めの戦略として捉えて実践していくため、広くリスクブランディングの普及を行っていく。
【リスクブランディング 中小企業実践事例】
竹下産業株式会社(産業廃棄物処理業;東京都足立区)
https://www.r-station.co.jp/trc/
竹下産業株式会社は社内に営業マンが1人も存在せず、購買担当者に向けてホームページやSNS、メールマガジンなどでリスリスクブランディングを発信し顧客を獲得し続けている。
※1 中小企業庁、2016、「中小企業白書 2016年版」,pp.225図3 大企業はリスク管理の「担当部署なし」が14.6%であるのに対し、中小企業では「担当部署なし」が40.4%となっており、この結果から中小企業がリスクマネジメント体制の構築が進んでいないことがうかがえる。
※2 元吉忠寛、2013、「リスク教育と防災教育」、教育心理学年報 52(0), pp.153-161 元吉(2013)は、「リスク教育とはリスクの性質、評価の方法、リスク認知やリスクコミュニケーションなどについて学び、適切にリスクを管理するために必要な知識や技能を獲得することに重点をおいた教育」と定義し、そのアプローチを大きく2つに分け、一つはリスクの特性やリスクの概念そのものについての教育、もう一つは自然災害をはじめとする、さまざまなリスクから自分の命、大切な人やものをどう守るのかという対策や対処方略〔ママ〕に関する教育であり、これら2つのアプローチは完全に独立したものというわけではなく、多くのリスク教育は、この2つのアプローチを融合させて行われると述べている。さらに、「リスクコミュニケーションの第一の目標として、リスク分析やリスク管理について、人々を教育することを挙げている。リスク教育はリスクコミュニケーションの一部なのである」とリスク教育がリスクコミュニケーションの一部と述べ、「リスク教育における演習は、双方向的なコミュニケーションが重視されるリスクコミュニケーションの観点から重要な意味を持つ」とも論じている。
※3 中谷内一也編、2012、「リスクの社会心理学-人間の理解と信頼の構築に向けて」、有斐閣,pp.243/中谷内一也、2014、「信頼の心理学」、日本香粧品学会誌vol.38,No.4,pp.244-249 中谷内(2012)は、「信頼とは相手の行為しだいで被害を被る危険性も、よい結果が得られる可能性もあるという状況の中で、よい結果が得られるだろうと期待して、被害を被りうる立場に身を置こうといった心理状態である」と述べている。また中谷内(2014)は、「その信頼は、リスク認知が決める。信頼している事業者が出している商品は安全であるとするように、商品そのものを直接評価しているのではない。商品を取り扱っている事業者や管理している公的機関が信頼できれば、商品は安全だと考えるのである」とも述べている。
※4 中谷内一也・工藤大介・尾崎拓、2014、「東日本大震災のリスクに深く関連した組織への信頼」、心理学研究、85,pp.139-147 中谷内・工藤・尾崎(2014)は、東日本大震災のリスクに深く関連した組織への信頼の社会調査を行い 、それらの組織の信頼レベルはどれくらいに評価されているのか、また、その信頼の高さはどのような要因で決まってくるのかを明らかにしようとした。【図1】がその調査の分析視点であり、「価値共有認知と能力認知、動機づけ認知は相互に関連しながら対象への信頼に結びついている。そして、信頼に応じてリスク管理が有効に行われているかどうかの主観的な評価が決まる」というプロセスで信頼を形成する。
※5 笠原英一、2018、「戦略的産業財マーケティング B2B営業成功の7つのステップ」、東洋経済新報社,pp.22-24 B2B市場の特徴として笠原(2018)は、購買の意思決定に際してB2Bでは組織購買が基本であり、市場に対するアプローチとしてのチャネル政策や営業政策を検討する際、購買センター(buying center/BC)とか意思決定ユニット(decision making unit/DMU)と呼ばれる組織体を構成する個々のメンバーを考慮しなければならず、そして売り手と買い手間で協働的な交換関係を基に両者で価値の共創を行うことが多いと述べている。
※6 鍵村有子、2016、「事業継続計画(BCP)・事業継続マネジメント(BCM)の公表について」、インターリスク総研 BCMニュース,2016 No4,pp.1-8
※7 Kevin Lane Keller(2001)Building Customer-Based Brand Equity : A Blueprint for Creating Brands 【図3】の「ブランド・レゾナンス・ピラミッド」では、まず認知から始まり、図左側のルートが商品やサービスなどのスペックを求める理性的ルート、図右側のルートが好きとか嫌いといった感性的ルートで、これら両方のルートを通った時に、初めて顧客の共鳴(心を揺らすこと)やロイヤルティ(忠誠・愛着)が生れるといわれる。共鳴やロイヤルティは後に継続購買という行動を顧客に喚起し、企業に長期的かつ安定的な売上をもたらす。この図は、品質や価格、サービスに大きな差がなければ、「認知」と「感性的ルート」が重要になってくることを表している。
※8 笠原英一・原島なほみ・中島成晃、2013、BtoB市場におけるソーシャルネットワーク活用の関する調査研究、研究・技術計画学会資料 笠原・原島・中島(2013)がB2B市場におけるソーシャルネットワークサービス活用に関する調査で次のように明らかにしている。①研究開発部門での製品・サービスの代替可能性が高いほどSNSが有効であり、②全体・研究開発・営業部門での購買プロセスの複雑性が高いほどSNSが有効であり、いずれにおいてもB2C市場だけでなくB2B市場においても、SNSを通してインタラクティブ(双方向)な情報交換がされている可能性が高いと報告している 。このことから、現在においてWEBの効用は無視することはできず、WEBでのプロセス開示が有効であると考えられる。
※9 調査を行ったリスク教育を行っている3社は下記のとおりである(リスク教育実施者は筆者)。
①中小企業A社
企業情報 : 産業廃棄物処理業、売上高、従業員数14名
受講者数 : 2名(安全衛生委員会メンバー)
リスク教育内容 : 労働安全におけるリスクマネジメント・プロセスの実践
教育期間 : 23カ月
②中小企業B社
企業情報 : 電子部品専門商社、売上高、従業員数24名
受講者数 : 5名(勤務時間後の自主的勉強会)
リスク教育内容 : 他社の直近事故・不祥事のケースステディ
教育期間 : 6カ月
③大企業C社
企業情報 : 不動産管理業、売上高約700億円、従業員数約7,000人
受講者数 : 7名(保険部所属社員 会社主導の勉強会)
リスク教育内容 : リスクマネジメントのノウハウ学習とマーケティング知識
教育期間 : 18カ月
※10 今回のコンピテンシー(行動特性)調査は、学校法人中央大学が行う「知性×行動特性」学修プログラムを参考にして行った。学校法人中央大学(2018)は、コンピテンシーを、社会で活躍している人々に共通してみられる行動、態度、思考などの傾向や特徴などを意味し、例えば、「積極性」「継続性」など、社会で成果をあげることに必要な要素で構成されたものと定義している。(出典)学校法人中央大学、「「知性×行動特性」学修プログラム」
http://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/gp/competency_pro/competency/(2026年3月30日閲覧)
※11 アクセス解析を行った竹下産業株式会社は下記のとおりである。
企業情報:1975年設立(1933年創業) 従業員14名 東京都足立区
業務内容:産業廃棄物処理業、特に情報廃棄を強みとしている
調査対象ホームページ(URL):https://www.r-station.co.jp/trc/
調査対象期間:2018年6月8日~2018年11月2日迄の148日間
アクセス解析ツール:Google アナリティクス
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