渋谷のど真ん中に暮らす ルームシェアするコミュニティ

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渋谷のど真ん中に暮らす ルームシェアするコミュニティ

 「朝ごはんを用意したけど食べる?」「今、リビングでお酒飲みながら話しているよ」そんな住民同士の交流が生まれる場所が、渋谷にある。
 渋谷のど真ん中にある複合用途型マンション「SHIBUYA CAST./渋谷キャスト」だ。
 東京建築祭にてこのマンションを見学する機会を得た。
渋谷といえば、スクランブル交差点、ハチ公、109、観光客・・・など、遊びに行く場所、働く場所、といったイメージを持つ方も多いのではないだろうか?筆者も例にもれずだが、この都会の喧騒の中でどのようにコミュニティが生まれているのか見てみよう。

SHIBUYA CAST./渋谷キャストとは?

◆SHIBUYA CAST./渋谷キャストの場所、成り立ち
 

 渋谷駅B1番出口より徒歩1分、MIYASHITA PARK近くにある、まさに渋谷のど真ん中に位置している建物である。商業スペースとオフィスの建物かと思いきや、なんと13~16階には住居もあるという、つまり複合型マンションだ。
渋谷キャストアパートメント https://shibu-cas.tokyo/

C216_3.png 『東京建物祭2026』のガイドツアーの1つ「【SHIBUYA CAST.】拡張家族と考える、これからの住空間】」に参加し、実際に渋谷キャストで暮らしている方々にガイドしていただいた。筆者は渋谷駅近に住む、という発想がなかったのだが、行ってみると、意外にも(!?)静かな場所で緑も多く住みやすいのかもしれないと感じた。
 渋谷区の都営住宅「宮下町アパート」の跡地事業であり、すぐ隣には都営住宅で暮らしている方々もいる。
 住人のガイドの方によると「スーパーなどは多くないが、地域のコミュニティも豊かで居心地がいい」とのことである。渋谷のど真ん中でコミュニティがどのように確立されているのだろうか?
 近くの穏田神社で豆まきや夏祭りなどのイベントも活発で、すぐ横のキャットストリート関係者の方々と一緒にクリーンアップ活動などをしているという。このクリーンアップ活動は2026年夏で150回目を迎えるそうで、それだけ続いているということは地域に根づいているといえるだろう。
参考:https://neutmagazine.com/harajuku-catstreet-cats-diary-6

SHIBUYA CAST./渋谷キャストのコンセプト

 建築は「Echoes of Uniqueness/不揃いの調和」をデザインコンセプト(※1)としており、渋谷キャストの理念「Share The Creative Life」(※2)のもと、多くの人がここを舞台に活躍していくことを目指しているそうだ。
 カフェやレストラン、ショップも建物内にあるが、前面には出ておらず、入り口付近は緑が豊富なオープンスペースとなっていて、渋谷駅近とは思えない静かでのどかな雰囲気も特徴だ。

ルームシェアで暮らす

 日本でルームシェアを経験したことがある方はどれくらいいるのだろうか?ルームシェアに関する全国的な調査は見つけられなかったが、国土交通省の「シェアハウスに関する市場動向調査結果 について(※3)」はあったので、それを参考に、ルームシェアについて考えてみる。
 筆者は以前ニューヨークでルームシェアしていた(【世界のマンション~ニューヨーク編~】ニューヨーク住宅事情回顧録)が、ルームシェアをした一番の理由は「安価でよい立地に住めるから」である。調査結果を見てみると、「入居した動機・理由(最も重視したもの):回答者全体の4割台半ばが「家賃が安いから」、3割弱が「立地が良いから」、2割が「勤務地に近いから」と回答」とのことであるので、根本的な理由・動機は国が違っていても近しいようである。
 この渋谷キャストも1Kで222,000円/月の賃料(2026年5月現在※5)と手を出しやすい金額とは言い難い。しかし、ルームシェアするとなれば話は変わってくる。
 ただ、この渋谷キャストには、単に「安価で立地が良い」という理由だけで人が集まっているわけではない。単に部屋や家をシェアしているのではないのだ。
 渋谷キャストの住居エリア13階~16階のうち、13階はCift(※4)として「拡張家族」という概念のもとに共同生活を送っているそうだ。
 共同生活と言っても、1つ1つの部屋は一般的なマンションと同様に独立しており、室内に水回りなども完備されている。13階には共同で使える広いキッチンとリビングスペースがあるのが特徴で、そこで大人数で食事したり、たわいもない話をしたりしているそうだ。

C216_4.png

新しいマンションコミュニティのかたち

 このガイドツアーで個人的にとても驚いたことがあった。なんと主不在の部屋も含め、13階の部屋を解放して見学させてくれたのである。ガイドの方が「ここは○○ちゃんの部屋で・・・」などと説明してくれるのだが、主のいない部屋に入るのはなんとも不思議な感覚であった。各部屋の間取りは同じところもあれば、ベランダが広かったり、クリエイター向けに防音設備が整っているタイプがあったりさまざまだ。6部屋ほど見学させてもらったが、どの部屋も主の個性が感じられた。
 ガイドの方のお子さんも一緒にツアーをまわっていたのだが、「次、○○ちゃんの部屋?」と聞いてすぐに向かったり、どの部屋に入ってもまるで自分の家のようにリラックスしたりしている様子が印象的だった。「拡張家族」として、日常的に住人と関わっているのだろう。彼の親御さんも「みんなが子供と遊んでくれるので、過ごしやすい」とのことだった。
 ガイドの方同士の会話や、部屋を見せてくれた住人のみなさんのやり取りを見ていると、オープンに話しやすい雰囲気で、家族や友達とは違う新しい交流の空気感を感じた。

 地域やマンションで人と人との関係が薄れつつあると言われるなか、渋谷のど真ん中で、長屋のような温かなつながりが自然に生まれ、息づいている。このあり方は、これからの地域交流を考えるうえでのヒントになるはずだ。

(※1)https://www.co-lab.jp/base/shibuya-cast/
(※2)https://shibuyacast.jp/journal/detail/?cd=000121
(※3)国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/001151588.pdf
(※4)Cift https://cift.co/
   https://shibuyacast.jp/journal/detail/?cd=000082
(※5)https://www.creavision.co.jp/building/4892/


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久保田 麻記子

執筆者

久保田 麻記子 マンションみらい価値研究所

Webプロモーションの経験を活かし、マンションみらい価値研究所のWebサイト・セミナー運営も担当している。
無類の動物好き。

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